はるかの毎日!昇り降り!!

エレベータとエスカレータの不思議な世界へ あなたもいっしょにどうですか?

エレベータの天井には脱出用のハッチがあるって本当?

【質問】
エレベータが途中で止まって閉じ込められたとき、天井にある脱出用のハッチから脱出すればいいと聞きましたが、本当ですか?

【回答】
確かに救出用のハッチはあります。 「救出口」といいます。
でも、中からは出られません。

なぜなら、外から鍵がかけてあり、外から開けるようになっていますから、中からは開けることは出来ないんですよ。
だから(自力で)「脱出」じゃなくて(誰かに)「救出」なんです。

エレベータが途中で止まって閉じ込められてしまっても、慌てず騒がず、非常呼びボタンを押してインターホンで助けを呼んで下さい。
決して自力で脱出しようとしないで下さい。
なぜなら、止まってしまったエレベータは、いったんはなんとか自動的に中の人を助けようと、動こうとします。
自動救出モードになるのです。(旧式のエレベータではならないものもあります)
このときに、無理やりエレベータの外に出ようとしていたら、エレベータの機械の間に挟まれたり、転落したりと、とんでもないことになっちゃうかもしれません。
そして何よりエレベータは自動救出をあきらめてしまいますいます。
ですから、おとなしくしていたほうがすんなり外に出られるかもしれないって事ですね。

そもそも、天井の救出口は、中に閉じ込められた人を他の方法ではどうしても救出できない時に、最後の手段として使うためにあります。
ですから、いきなりそこから中の人を助け出すなんてことはしません。
ほとんどの場合、手動でエレベータをドアのあるところまで動かしてから、乗り場のドアを開けて救出するようにしています。
もっとも安全で確実な救出方法です。

天井からなんて、よほどのことがない限り救出されることなんてありませんから、もしそんな経験をお持ちの方はたいへん貴重(?)な体験をしたのだと、ちょっと自慢出来るかも?

そして、2000年(平成12年)建築基準法施行令が改正されて、この救出口が条件付で無くてもよいことになりました。 それは、今まで最も一般的に行われてきた救出方法である「手動で動かして乗り場のドアを開けて救出」することができる装置があれば、天井に救出口が無くてもよいというもので、実質かなりのエレベータがこれに該当しますから、最近のエレベータには救出口が無かったりします。
例外はありますが。

というわけで、どんどん少なくなっていくことになる「救出口」ですが、くれぐれも映画なんかでよくあるように、天井に向かって蹴りを入れて(それが無理だと思うんだけど)無理矢理こじ開けたりしないように。
救出口には鍵のほかにスイッチもついていて、救出口が開いたらエレベータが停止するようになっていますから、当然動かなくなっちゃいます。
あなたがエレベータを壊したことがバレちゃいますよ。

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